中世の荘園の遺跡。カコットックから2日間歩いて行き、3日目にツアーボートに拾ってもらった。
遺跡と言っても建物の土台の石が残っているだけのもの。左下のでかい建物が教会、その周りに家屋や納屋などがある。アメリカでもそうだったが、たかだか数百年前の石ころを遺跡とか言われても、悪いけど笑ってしまう。しかもグリーンランドで見る「遺跡」はどれもNorse(バイキング)の遺跡で、先住民イヌイットの遺跡についてはほとんど表示がない。世の中何でも白人中心なのである。
遺跡に向かう2日目、途中霧で視界ゼロになって2、3時間迷い、夕闇が迫って(ということは9時10時である)焦りまくった。小雨の中やっと遺跡についたら、岸壁を修理しにボートで来ていた男女がいて拍子抜けしたが、彼らはボートに招いてビールをご馳走してくれ、さらに翌日は私にとって十年ぶりの鯨のバーベキューでもてなしてくれた。
我々と同じく鯨を蛋白源としてきたイヌイットも、他人の文化を無視した感情的な運動のために、今では捕獲量をひと夏に町で何頭という風に制限されてしまっている。それでも大好物の鯨が市場やスーパーで買えると分かり、その後旅行中自炊して6回食った。

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