リサーチ・ハイライト
- 白鳳丸 KH-11-8 次航海 (2011年8〜10月)
北東太平洋の深層水塊および中層水塊の分布, 流動, 鉛直拡散などを
解明するべく,
東京を出港し, サンフランシスコに寄港, そして東京に帰港する,
50日間にわたるCTD・各層採水中心の白鳳丸研究航海を実施しました.
前半では昨年の淡青丸航海KT-10-9次航海で設置した東北沖の3系の
係留系を回収しました.
そして北東太平洋では西経145度に7系の深海係留系を設置しました.
これらの系は来年の白鳳丸航海にて回収する予定です.
そのほかに, 古海洋環境復元のための環境指標の確立を目的として,
プランクトンネット(VMPS)を用いて浮遊性有孔虫と珪藻を採集しました.
- 白鳳丸 KH-08-3 次航海 Leg2 (2008年10〜11月)
日本東方および南方の海域にて,
宮城県塩釜出港, 岩手県釜石寄港, 東京帰港のほぼ1か月にわたる
白鳳丸研究航海を実施しました.
深層循環と中層水をターゲットにした今航海もCTD・各層採水が中心で,
前半では,
昨年の白鳳丸航海KH-07-1次航海にて設置した10系の係留系の回収も実施し,
そのうち3系については再設置を行ないました.
ほかに,
亜熱帯モード水・季節密度躍層系の物理・化学・生物過程の研究(東北大理)
のためのFRRF観測や,
密度比と乱流の測定による拡散係数の推定の研究(東京海洋大)
のためのターボマップ観測,
西部北太平洋の海洋変動の研究(JAMSTEC)
のためのArgoフロートの投入などを行いました.
- 白鳳丸 KH-07-1 次航海 Leg2 (2007年5〜6月)
西部北太平洋における
深層循環流の時間変動と深層水塊の分布の研究を行なうため,
函館から乗船し, 途中で岩手県釜石に寄港しながら,
北緯40度に沿ってCTDO2/LADCP 観測を実施し, 7系の係留系を設置しました.
また,
一昨年の白鳳丸航海KH-05-4次航海にて設置した
北緯38度周辺の4系の係留系を回収し,
そのうち3系については再設置を行ないました.
設置した10系の係留系は
来年10月に予定されている白鳳丸航海にて回収する予定です.
ほかに,
黒潮続流の渦度分布の研究(海洋研: 航走ADCP観測, XCTD観測),
亜熱帯モード水の移流・散逸過程の研究(東北大理: CTDO2/LADCP観測, XCTD観測),
亜熱帯モード水・季節密度躍層系の物理・化学・生物過程の研究(東北大理: CTDO2/LADCP観測, XCTD観測, FRRF観測),
密度比と乱流の測定による拡散係数の推定の研究(東京海洋大: CTDO2/LADCP観測, XCTD観測, ターボマップ観測),
Argoフロートによる西部北太平洋の海洋変動の研究(JAMSTEC: Argo投入),
北西太平洋における流れ藻および付着動物の分布と生態の研究(海洋研)
などを実施して, 東京にて下船しました.
- 白鳳丸 KH-05-4 次航海 (2005年11〜12月)
北太平洋西部における中層および深層の水塊と流動の研究を行なうため,
途中で宮城県塩釜に寄港しながら,
XCTD や CTDO2/LADCP 観測, 係留系の回収・設置を実施しました.
LADCPの反射強度とプランクトン量との関連を調べるために
ネット(VMPS)を用いた観測も実施しました.
- 白鳳丸 KH-04-4 次航海 Leg 1,2 (2004年9〜10月)
北太平洋西部における中層および深層の水塊と流動の研究を行なうため,
途中でグアムに寄港しながら,
XCTD や CTDO2/LADCP 観測, 係留系の回収・設置を実施しました.
シャツキー海膨南西部から小笠原海台にかけて9系の係留流速計を設置しました.
これらの係留系は2005年11月〜12月に行なわれる白鳳丸 KH-05-4 次航海にて回収する予定です.
- 白鳳丸 KH-03-1 次航海 第1・第2レグ (2003年5〜6月)
北太平洋西部および中部における水塊と流動の研究を行なうため,
途中でハワイ島ヒロに寄港しながら,
XCTD や CTDO2/LADCP 観測を行いました.
特に西経165度では, 北緯8度50分から44度30分までにわたって
ほぼ1度間隔で観測ができました.
ほかには, シャツキー海膨南西部にて2系の係留流速計を設置しました.
これらは2004年度の白鳳丸航海にて回収, 引き続き再設置する予定です.
また, 海洋科学技術センターと東北大学の Argo フロートを
全部で21台放流しました.
白鳳丸は僚船・淡青丸とともに
独立行政法人・海洋研究開発機構
(旧認可法人・海洋科学技術センター)に移管され,
日本の大学から海洋研究船が1隻もなくなりました.
大学研究船としての白鳳丸による最後の物理系研究航海となりました.
- 白鳳丸 KH-02-3 次航海 (2002年9〜10月)
北海道と西南諸島を除く日本列島を一周しました.
東京から鹿児島までの第1レグでは,
生物グループも参加し, 足摺岬沖でのネット採集・採泥観測がありました.
足摺沖の測線では CTD・XCTD・XBT 観測を行いました.
鹿児島から博多までの第2レグでは,
中国排他的経済水域を除く東シナ海をくまなくまわり
CTD/採水観測を行いました.
大循環分野では黒潮流域のそばでドロップゾンデのテストを行ないました.
博多から東京帰港までの第3レグでは,
日本海大和海盆を中心とした海域の深層循環を調べるため,
CTD/採水観測が行なわれました.
また, 太平洋では, 鹿島沖の日本海溝と伊豆小笠原海溝の接合部に
おける深層の海水交換をしらべるため,
CTD/採水観測と5系の係留流速計の設置を行いました.
これらの係留系は2003年秋の淡青丸 KT-03-16 次航海にて
無事すべて回収しました.
- 白鳳丸 KH-01-1 次航海 第1レグ (2001年6〜7月)
世界最深の海域であるマリアナ海溝の内部および周辺の海流と海水を
調べるため, 最深部を含む海底までの CTD 観測と係留流速計3系の設置を
行いました.
係留系は, 1年後の白鳳丸 KH-02-2 次航海(ウナギ調査の航海)
にて無事すべて回収しました.
マリアナ海溝域では, ほかに,
熱帯の浅い塩分躍層を利用した熱塩永久泉の湧昇実験を行いました.
また,
北太平洋表層の循環について調べるため,
東京出港直後からマリアナ海溝に至る間, 航走 XBT 観測を行いました.
鹿児島港入港前には, KH-00-4 次航海にて設置した
沖縄海盆の係留流速計3系とトカラ海峡のADCP係留系2系を
回収しました.
- 白鳳丸 KH-00-4 次航海 (2000年9〜10月)
伊豆海嶺および四国沖, 東シナ海において,
黒潮の流量と密度構造を調べるため,
XBT や CTD 観測を行いました.
そのうち, 東シナ海沖縄海盆には3系の係留流速計を設置,
トカラ海峡には2系のドップラー式流速プロファイラ(ADCP)を設置しました.
伊豆海嶺東方では, 深層流の直接測定のため,
係留流速計を4系設置しました.
これらは2001年11月下旬の淡青丸 KT-01-16 次研究航海にて回収され
ましたが, 残念ながら1系は流失しました.
- 白鳳丸 KH-99-4 次航海 第2レグ (1999年10月)
日本海の中層・深層循環を調べるため, 日本海の南西部分 (大和海盆)
において CTD 観測を細かな測点間隔で行いました.
同時に, ALACE フロートを2台放流し, その後,
現在まで順調にデータを取得しています.
- 白鳳丸 KH-99-1 次航海 (1999年1〜3月)
南太平洋から流入する深層水および
表層における亜熱帯域と赤道域の水塊をとらえるため,
北太平洋低緯度域の広い範囲で CTD 観測を行いました.
深層流を直接測定するため,
流速計を取り付けた係留系を7箇所に設置しました.
これらは1年後の日本海洋科学技術センター「みらい」により無事,
回収されました.
- 白鳳丸 KH-96-4 次航海 (1996年10〜11月)
東シナ海から続流域にかけて黒潮を横断する11の測線で
CTD 観測を行いました.
また, 深層循環を調べるため, 北緯38度と東経148度にそって
CTD 観測を行いました.
この測線と 1995年 の測線と組み合せることで,
北太平洋西部をカバーできます.
伊豆小笠原海溝の流速計を回収し,
新たに日本海溝を横断する北緯38度線上に設置しました.
- 白鳳丸 KH-95-1 次航海 (1995年5〜6月)
1994年同様の足摺岬沖の黒潮測線とともに,
西部北太平洋の深層循環の解明を目的として,
東経140度から156度まで北緯34度と30度の緯線に沿っての観測を行いました.
特に, 伊豆海溝内部の深層流を調べるため,
海溝部分で狭い間隔での CTD 観測とともに,
係留流速計の回収・再設置を行っています.
- 白鳳丸 KH-94-3 次航海 (1994年9月)
旧海洋物理部門では1994年は9月に黒潮の観測を行いました.
その結果について, 正式なクルーズ・レポートとともに
ネットワークでも一部を公開しています.
海洋大循環分野
東京大学
大気海洋研究所
海洋物理学部門
海洋大循環分野
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