天皇海山列メインギャップを通過する底層流の定量的解明

研究概要

北大西洋北部に端を発して南極海で変質を受けながら世界の海洋に深層水を満たしていく地球規模の深層循環が、 北太平洋においては、中央部に南北に連なる天皇海山列のどこをどのぐらいの流量で西から東に抜けるのかを 明らかにすることが本研究の最終的な目標です。 本研究では一つの有力な候補とされる最深・最大の切れ目(メインギャップ)に焦点を当てて観測研究を行うこととし、 研究を開始した27年度からは、主に気象庁による船舶観測によって得られていた既往のデータから メインギャップ周辺の深層水塊分布を調べてきました。 そして28年度には研究船白鳳丸航海にて吊り下げ式音響流速計を用いてメインギャップ内の細かな流速構造のスナップショットを捉え、 28年度から29年度にかけて係留系を設置して流速変動の時間特性を調べました。 最終年度には二つの観測結果を統合し、メインギャップを通過する深層流の平均的な流動に迫りました。

本研究は科研費基盤Cの課題 (課題番号15K05283; 2015-2017) として採択され, 大学院生の宮本さんとともに実施しました。 係留観測は気象庁気象研究所との共同研究として実施し, 気象研から多くの観測機材を提供していただきました。

発表


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柳本大吾